「ドレの神曲(著:ダンテ・アリギエーリ/イラスト:ギュスターヴ・ドレ)」読書レビュー2011/02/21 16:33

先日、La Divina Commedia(神曲)の地獄篇を苦戦しつつ読み終えて、さて次は煉獄篇だと言っておりましたが、その前に・・・現代語訳の易しいのを読みました。ははは。前回は本文数行読んで、注釈読んでの繰り返しで、滑らかに読めなかったので、正直、複雑な節もあって理解が怪しかったんです。なので、さらっと流れを見たかったのです。そこで、今回は易しい現代語訳で、フランスの画家ギュスターヴ・ドレ(Gustave Doré)の挿絵いっぱいの下記の本を読みました。
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ドレの神曲
著者:ダンテ・アリギエーリ(Dante Alighieri)
イラスト:ギュスターヴ・ドレ(Paul Gustave Doré)
翻訳:谷口 江里也
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この本は地獄篇・煉獄篇・天国篇が1冊で簡潔に編集されています。さらっと全体を読んでみたい人向け。ただ3偏が1冊という圧縮率ですので、注釈いっぱいの圧縮されていない訳本を読んだ後だと、「あのシーンがさらっと飛んだ!ショック!」的なことになる。なんか原作小説を読んだ後に映画化されたのを見たような感じ・・・訳はちょっと物足りない。けど、これはそういう絵が主なダイジェスト版みたいなのだから致し方ない。あっ、そうだ、3篇の圧縮率もとても違います。構成は地獄篇がメインで1/2を占めます。煉獄偏1/4、天国偏1/4です。まぁ、地獄篇はダンテの政敵に対する捌け口部分が多いので、内容としてはここが一番のメインになるんだろうか・・・。おもいっきり政治がらみの派閥抗争です。一種の復讐を感じます・・・。だって・・・うぅん・・・その・・・地獄に落ちるような事をした人やとしても、偉大なあのお方の導きであの世を旅してるのに、「こ、こいつがぁー」みたいな事言って罵倒したり、髪の毛抜いたらいかんのでは?・・・ははは。と思うのです。はは。まぁいっか。この辺は作者やから仕方ないのかな。次の層の煉獄、これは何ぞ?あまりピンと来ないですよね。煉獄は軽い罪の人々が罪を洗い流すところで、山を登るに連れて罪が洗い流される。地獄のような過酷な風景は既になく美しいイメージです。ダンテは7つの罪のP文字を天使に額に描かれます。山に登るにつれそれは消えて体(魂)が軽くなる。そして、レテ川にたどり着く。全て(の罪)を忘れて(消して)綺麗になる。そしていよいよ天国に到着。ダンテの最愛の人、ベアトリーチェが天使に囲まれて、迎えに来る・・・もう、愛で輝きまくりです。ダンテが非常に彼女を愛してたのがよくわかります。そして彼女の導きでどんどん上に上がる・・・上がって、上がって・・・地球も見下ろしてしまうほど・・・ほほほ。まさか地球外に行くと思わなかった。どんどんベアトリーチェも輝いて、目では見えないくらい。でも、ここで悟りが・・・目でみるんじゃない!みたいな・・・そんな境地にダンテは達します。最後はどんどん光って行って・・・おわり。たぶん、真っ白になったあと、気が付いたらこの世に戻るのだと思います。この訳本では煉獄と天国がさらっと流れていくので、文字からは細かい描写はよくわかりません。改めて、煉獄偏と天国偏は別で読みたいと思います。さて、ここまでが内容です。挿絵のドレの絵はとても美しく、怖いです。とても目に焼きつきます。特に私はベアトリーチェがたくさんの天使に囲まれて(担がれて)、ダンテの前に現れるシーンが好きです。とても美しい。この他、花を摘む女性も美しい。非常に惹かれます。

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